ゆびぬき

指ぬきは針仕事をするとき布を縫った針を押し出すさい、指を突かないように中指に布など巻き、
糸でかがりとめました。いつしか美しい模様になるようかがるようになりました。市販の金属や皮製品が普及して
からは実用品としての指ぬきはほとんど作られなくなりました。
2縫い方縫い方1


西洋の指ぬきシンブル(またはフィンガーハット)は中指の先にかぶせますが、和裁は直線縫いの多いので帯状の輪になった指ぬきが縫いやすいので使われてきました。
女性の大切な道具だった指ぬきやシンブルは美しく装飾され愛蔵品として楽しまれています。

シンブル シンブル


美しくかがられた指ぬき、手まりや京人形は日本文化発祥の地、都から京友禅や西陣織と共に各地に伝わってゆきました。近年でもデパートの京呉服展に指ぬきやお人形などが商品を引き立てる小道具として飾られているのを目にします。

人形と指ぬき
右端は母の針箱にあった指ぬき。布がすり減るまで使われています。
実用品は指になじんで使い勝手がいい質素なものです。

 
百万石の城下町金沢は美術工芸が発達した土地柄から女性も美意識が高くいろんな和手工芸をたしなみました。
加賀縫い(刺繍)加賀てまり 加賀指ぬき 加賀つまみ絵 加賀押し絵 加賀お細工物など多彩です。
全国各地どこにでもあった指ぬきや手まりですが、金沢の作品は加賀というブランドが持つ上質さがあるとおもいます。


創作てまり創作てまり2集(尾崎千代子著)


東京の手芸家尾崎千代子先生は日本手まりの会を設立され手まりを世に広められ半世紀たちました。
各地の手まりの会で作られていたてまりやゆびぬきの著書をたくさん執筆され活躍されました。
指ぬきは手まりかがりの1部門として手まりの本に掲載されたり、手まり上に帯状の模様としてかがられてきました。

指ぬき模様をかがったてまり    
                                   新しいてまり3集(尾崎千代子著)


新しいてまり4集新しいてまり4集




そして今また東京在住の手芸家石井康子先生の目にとまった指ぬき、各地で作られていた指ぬきを見出され、講習会や展示会を催され、一部愛好者だけで作られていたのが広く知られるようになってきました。

各地で作られる創作模様の手まりは手芸書で広まりました。
指ぬきは創作する若い年代の方々が次々とインターネット上に発表し活躍されて、表現方法の変化に隔世の感をおぼえます。

伝統は進化してこそ発展します。世に出て日の浅い指ぬきがどのように受け継がれてゆくのかとても楽しみです。

博多のゆびぬき
手まりを創るてまりを創る(菅家明子著)


加賀の吊るしてまり加賀の吊るしてまり(高原曄子著)

                                       

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